aligno› 高額療養費シミュレーター› 高額療養費と医療費控除の対象
高額療養費は窓口の一部負担金だけ。医療費控除はもっと広い
入院にかかったお金は、2つの制度で戻ってくる可能性があります。健康保険の高額療養費と、確定申告の医療費控除です。 ところが「何が対象になるか」は2つの制度でまったく違います。 いちばん分かりやすいのが入院中の食事代で、高額療養費では対象外、医療費控除では対象と、扱いが逆になります。
1. 高額療養費は「一部負担金」だけを見る
協会けんぽの高額療養費のページには、対象にならないものがこう書かれています。
ただし、保険外併用療養費の差額部分や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象になりません。
よくある質問では、申請書に書く金額についてこう答えています。
記入していただく自己負担額は一部負担金の金額となり、保険外負担分(ベッド代やインプラント費用)や入院時の食事負担額等は対象外となります。
つまり高額療養費が見ているのは、保険がきく診療で、医療機関の窓口で払う一部負担金(ふつうは3割)だけです。 食事代も差額ベッド代も、医療機関に払うお金ではありますが、一部負担金ではないので入りません。 通院の交通費や薬局で買った薬は、そもそも医療機関の窓口で払うものではないので、当然入りません。
2. 医療費控除は「治療のために払ったお金」を見る
国税庁の説明は、医療費控除の対象を医療機関の窓口に限っていません。 医師による診療や治療の対価のほかに、次のようなものも挙げています。
医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの
ここに「入院の際の部屋代や食事代」が入っています。高額療養費では外されていた食事代が、医療費控除では対象になる理由です。 入院費用の具体例のページにも「入院中は病院で支給される食事を摂ることになります。これは、入院代に含まれますので医療費控除の対象になります」とあります。
3. 費目を選んで、2つの制度での扱いを比べる
選んだ内容はこのページの中だけで使われ、どこにも送信されません。
4. 一覧で比べる
| 費目 | 高額療養費 | 医療費控除 |
|---|---|---|
| 保険がきく診療の窓口負担(3割など) | 対象 | 対象 |
| 入院中の食事代(病院で出るもの) | 対象外 | 対象 |
| 差額ベッド代(自分や家族の希望) | 対象外 | 対象外 |
| 差額ベッド代(治療上の必要・病棟の都合) | 対象外(そもそも請求されない場合がある) | 場合による |
| 保険がきかない治療(自由診療) | 対象外 | 場合による |
| 通院の電車・バス代 | 対象外 | 対象 |
| 通院のタクシー代 | 対象外 | 場合による |
| 薬局で買った治療のための薬(風邪薬など) | 対象外 | 対象 |
| 家政婦などに頼んだ付添料 | 対象外 | 対象 |
| 寝巻き・洗面具など | 対象外 | 対象外 |
| 医師や看護師へのお礼 | 対象外 | 対象外 |
表を縦に見ると、高額療養費の「対象」は1行しかありません。 高額療養費は、保険診療の窓口負担が重くなりすぎないようにする仕組みで、それ以外の出費は最初から見ていないからです。 医療費控除は、治療のために出ていったお金をもう少し広く拾います。 高額療養費で戻らなかったお金の一部を、医療費控除で拾える、という関係です。
参照した一次情報
- 全国健康保険協会「高額療養費」(保険外併用療養費の差額部分・入院時食事療養費等は対象外)
- 全国健康保険協会「よくあるご質問:高額療養費」(自己負担額は一部負担金・ベッド代や食事負担額等は対象外)
- 国税庁 No.1122「医療費控除の対象となる医療費」(診療の対価・通院費・入院の部屋代や食事代・医薬品・付添料・タクシー代)
- 国税庁 No.1126「医療費控除の対象となる入院費用の具体例」(食事・身の回り品・お礼・差額ベッド代・付添料)
- 国税庁 質疑応答事例「差額ベッド料」(自己の都合による個室は対象外)
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